【第五条】真価を見抜く己の目を養え

七条憲法

【第五条】真価を見抜く己の目を養え

 皆の衆、よく集まってくれました。

 今日、数多ある銘柄の中から何に想いを託し、何と距離を置くべきか。この「大投資時代」において汝らの大切な資産を護るための「三種の神器」を授けましょう。まずはこの条文を心に刻むのです。

インフレの火に負けるな

 汝らよ、今この瞬間に起きている現実を見なさい。モノの値段が上がる「インフレ」という火が、我らの資産をじわじわと焼き尽くしています。

 もし汝らが「小得(優待)」欲しさに選んだ銘柄の成長が、インフレの勢いにさえ負けているとしたら。それは、受け取る優待以上に、汝らの資産価値が溶け出しているということです。我ら弱き民であっても、せめてインフレ率程度の成長は期待できる、健全な銘柄を選ぶよう努めねばなりません。小得という木の実を拾う間に、資産という土台が焼けてしまわないよう、足元を直視するのです。

汝らを導く「三種の神器」

 迷える汝らが、荒波の中でも資産を護り、歩むべき道を照らすための三つの宝を授けましょう。

「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」:成長の剣

 インフレという巨大な火の壁を斬り裂き、利益を更新し続ける突破力。劇的な飛躍でなくとも、せめて物価上昇の波を切り伏せる「最低限の成長」があるかを確認しなさい。増益なき優待新設は、身を削り破滅へ向かう「諸刃の剣」と心得なさい。

「八咫鏡(やたのかがみ)」:健全の鏡

 企業の財務という内面を、一点の曇りなく映し出す鏡。自らの生み出す利益以上に過大な負債を背負い、足元がふらついてはいないか。歪んだ財務を見逃せば、有事の際に汝らを奈落へ突き落とす「壊れた鏡」となると心得なさい。

「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」:調和の勾玉

 その株価は、企業の真価と美しく調和しているか。市場の熱狂という「歪み」を排し、価値と対価が均衡を成す一点を見極めなさい。身の丈に合わぬ高値での取得は、やがて汝らを縛る「呪いの勾玉」となるでしょう。

己の目を養い、解脱へ備えよ

 この三種の神器を携え、汝ら自身の眼(まなこ)だけで企業を眺めなさい。SNSの喧騒や他人の推奨という、安易な「鵜呑み」の鎖を断ち切り、自らの知恵のみを杖とする。それこそが、いずれ優待という支えがなくとも荒波を渡るための、至高の修行です。他人の声を捨て、本物の輝きを「己の目」だけで見抜けるようになった時、汝らはもはや時代の潮流に翻弄されることのない、真の自由へと至るでしょう。

本日の修行

 今日、汝らのポートフォリオにある銘柄に「三種の神器」を当て、SNSの推奨を遮断してこう唱えなさい。

「他人の推奨を捨て、己の眼を信じる。三種の神器を掲げ、この銘柄が黄金の果実か、あるいは毒の林檎か、自ら見極める」

 その独歩の視点こそが、企業の罠を見抜き、「大投資時代」の荒波を生き抜くための最強の武器となるでしょう。

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