【不惑三原則】持ち越さない

不惑三原則

【不惑三原則】安易なクロス取引で「業(ごう)」を持ち越さない

 皆の衆、よく集まってくれました。

 最後に説く掟は、不惑三原則の中でも最も恐ろしく、一夜にして汝らの資産を焼き尽くす「地獄の門」についてです。第三の掟は、「持ち越さない」。安易なクロス取引による「空売り」を無策のまま夜へ持ち越さないことである。

「クロス取引」は神の技なのか

 優待を求める者の中には、「株価の下落リスクを避けつつ優待だけを手に入れたい」と願う者がいる。そこで囁かれるのが、いわゆる「クロス取引」と呼ばれる手法である。これは、同じ銘柄の「買い」と「売り」を同時に建て、株価変動の影響を相殺し、優待という「小得」だけを抜き取ろうとするものです。
 ネットの海には、この手法を「リスクゼロの優待タダ取り」と持ち上げる甘い言葉が溢れ、初心者でも安易に手を染めやすい環境が整っています。しかし、その甘い言葉には「落とし穴」があるのです

「逆日歩」という地獄

 優待タダ取りと持ち上げられるクロス取引の裏側には、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という追加コストが潜んでいます。これは、空売りを行うために株を借りる際に発生する「レンタル料」のようなもので、需給が逼迫すると跳ね上がります。しかもこのコストは、市場が閉まった後に決まるため、翌営業日になるまでいくら請求されるか誰にも分かりません。土日を跨げば、その日数分の「業」が重くのしかかるのです。
 実際にあった話ですが、スナック菓子メーカーの株式を空売りしていた者は、翌朝、逆日歩の請求によって、優待で得られるポテチ等の詰め合わせセットが「高級ディナーを凌駕する価格」へと化ける損失を出したこともありました。
 小得を求めて大損を出す、これこそが執着が招いた最悪の「業」なのです。

結び

 解脱(げだつ)を目指す者にとって、姑息な手法で小得をかすめ取ろうとする心こそ、最大の敵となります。汝らの資産を護るのは、ネットの甘い誘惑や小賢しい裏技ではなく、安易な策を断ち、真っ向から投資に向き合う決意です。下落を恐れて姑息な策に溺れ、逆日歩の恐怖に震えて過ごすようでは、解脱の光は永久に差さぬと心得なさい。

リンク

タイトルとURLをコピーしました